「トレーラーハウスを置いてカフェにしたい」「移動式の事務所に使えるって聞いたけど本当?」そんな声が40代〜50代の事業者の方からよく聞かれます。

魅力たっぷりなトレーラーハウスですが、設置のしかたによっては“建築物”として扱われ、思わぬ手続きが必要になることも…。この記事では、失敗しないための法的な基礎知識をわかりやすく解説します。

そもそもトレーラーハウスってどんなもの?

まず基本からおさらいしましょう。

トレーラーハウスとは「車両を利用した工作物」と規定されています。トレーラーハウスは、車輪の付いた「動く小さな家」のようなものです。
牽引車があれば移動ができる構造で、キッチン・トイレ・エアコンなどを完備。住まいとしてだけでなく、カフェやオフィス、趣味の小屋としても活用できます。

【ポイント】

  • 車両扱いであれば、固定資産税が不要なことも
  • 工事不要、短期間での設置が可能
  • 市街化調整区域でも活用しやすいケースあり

ですが、「どこにどう置くか」によっては、建築物とみなされてしまうこともあります。

トレーラーハウスが「建築物」と判断されるのはどんなとき?

結論から言うと、「動かせない状態になっているとき」です。

法律(建築基準法)では、次のように定義されています:

「土地に定着する」「屋根と柱(または壁)がある構造物」=建築物

土地との定着建築基準法大2条第一号の建物に該当しない条件から、つまり、以下のようなケースでは、建築物と見なされる可能性が高いのです。

  • 地面にがっちり固定している
  • コンクリート基礎の上に常設している
  • 電気・水道などのライフラインを恒常的に接続している
  • 周囲にフェンスやデッキを設置して移動が困難になっている
  • 車両が適法に公道を移動できない状態となっている
  • トレーラーハウスの設置場所から公道に至る通路が確保できない

この場合は建築確認申請が必要になり、思っていたより大がかりな準備が必要になります。

「車両」として扱われる条件とは?

一方、以下の条件を満たせば、建築物には該当せず「車両」として扱われるケースが多くなります。

  • ナンバープレート(車検あり)がある
  • 必要に応じて牽引して移動できる
  • 設置が一時的または仮設である
  • 電気や水道は工具を使わず着脱できる仮設接続になっている

このような状態であれば、建築確認は不要となり、設置も比較的スムーズです。

ただし、最終的な判断は各自治体に委ねられているため、事前に相談することがとても重要です。

ちなみに…「市街化調整区域でも設置できる」って本当?

一般的な建物が建てられない市街化調整区域でも、トレーラーハウスは柔軟に対応できる場合があります。

なぜなら、建築物でなければ建築基準法の用途制限が適用されないからです。

とはいえ、これも設置状況次第。
「車両扱い」にするには、ライフラインの接続や、定期的な移動の意思があることなど、ポイントを押さえる必要があります。

土地をお持ちの方や、新たに購入予定の方は、土地の条件とハウスの仕様を一緒にチェックするのがおすすめです。

自治体に確認する時のチェックリスト

導入前には、以下のポイントを用意して相談するとスムーズです。

  • 設置場所の住所と用途地域
  • 使用目的(例:事務所、カフェ、住居など)
  • 設置予定期間(一時的/常設)
  • トレーラーハウスのサイズと仕様書
  • 車検の有無(ナンバーありかどうか)
  • ライフラインの接続方法(仮設か恒久か)

「建築物とみなされるかどうか」という判断は、全国で一律ではありません。自治体の窓口に相談することで、後のトラブルを回避できます。

まとめ

トレーラーハウスは自由度が高く、夢を叶える空間にもなりますが、設置の方法によっては“建築物”と見なされることも。法的な立場をきちんと理解したうえで進めることで、スムーズで安心な導入が実現できます。

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執筆者情報

この記事は、株式会社浩栄 モバイルハウス事業部 展示場スタッフが執筆しました。
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